catch-img

ポスティングが違法になる4つのケースとは|対処法や事例も紹介

ポスティングは、企業の宣伝チラシやカタログなどを、各家庭や事業所に直接届ける販促方法のことです。さまざまな世帯の方にアプローチできる点や、ポストからチラシを取り出す際に目につきやすい点などから、WEB広告による宣伝が増えた現在でも多く利用されています。

しかし、人の家のポストに勝手にチラシを入れて違法行為にならないかなどと不安を抱えてしまう方もいるでしょう。結論から伝えると、ポスティングは違法行為ではありません。ただし、ポスティングの際の行動が原因で違法行為とみなされる恐れもあるので、注意してください。

この記事では、ポスティングで違反になる可能性がある法律、ポスティングが違法になるケース、違法にならないためのポイントなどを解説していきます。


目次[非表示]

  1. 1.ポスティングは違法ではない
  2. 2.ポスティングで違反になる可能性のある法律
    1. 2.1.住居侵入罪
    2. 2.2.軽犯罪法
    3. 2.3.郵便法
  3. 3.ポスティングが違法になるケース
    1. 3.1.敷地内に立ち入ってチラシを投函
    2. 3.2.ポスティング禁止の張り紙をしている家への投函
    3. 3.3.チラシを投函する際のポストの破壊
    4. 3.4.ポスティング時の敷地内への駐車
  4. 4.ポスティングで違法にならないためのポイント
    1. 4.1.ポスティングを行う地域の調査をする
    2. 4.2.最新の配布禁止エリア・建物の情報をまとめる
    3. 4.3.ポスティングを依頼する業者を見極める
  5. 5.実際にポスティングで有罪になった例
  6. 6.ポスティングでクレームがきた場合の対処法
    1. 6.1.謝罪の連絡を入れる
    2. 6.2.チラシを回収する
    3. 6.3.今後の対応を明示する
    4. 6.4.補償要求には慎重に対応する
  7. 7.安心して依頼できるポスティング業者を探すならエリアインテグレーション
    1. 7.1.配布品質を追求した信頼のおける業者を選定
    2. 7.2.常に更新される「配布禁止リスト」でクレームを予防
  8. 8.まとめ


ポスティングは違法ではない

冒頭で解説したように、ポスティングは、企業の宣伝チラシなどを各家庭や事業所のポストに配布する販促方法です。郵便物ではないものを投函するので、違法行為にあたるのではないかと不安に感じるかもしれませんが、ポスティングによる販促は決して違法ではありません
自社でポスティングを行うのも、外部の専門業者に依頼をしてポスティングを行ってもらうのも、どちらも問題のない行為なので安心してください。

しかし、配布の仕方によっては違法と判断されてしまう可能性もあるので注意が必要です。ポスティングを行う際や依頼をする際には、どのような行為が違反になるのかを把握しておくようにしましょう。


ポスティングで違反になる可能性のある法律

配布の仕方によっては違法と判断されてしまう可能性もあると解説しましたが、具体的には、どのような法律に抵触する恐れがあるのでしょうか。ここでは、ポスティングで違反になる可能性のある主な法律を3つ説明します。

  • 住居侵入罪
  • 軽犯罪法
  • 郵便法

それぞれの法律について確認しておきましょう。


住居侵入罪

個人の住宅の庭など、敷地内にあるポストに投函をすると、住居侵入罪と判断される可能性があります。住居侵入罪とは「正当な理由がなく個人の自宅や建造物に侵入し、要求されても立ち退かなかった場合に、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金になる」という法律です。
郵便配達・宅配便などは正当な理由として認められていますが、ポスティングは場合によっては罪に問われる恐れがあります。一般的な広告チラシは配布された側の利益になるとも考えられるので、違法になることは少ないでしょう。しかし、居住者や管理者がチラシ配布を拒んでいるのにも関わらず投函すると、住居侵入罪に該当すると判断される可能性があるので注意が必要です。


軽犯罪法

軽犯罪法とは、「侵入を禁じられた区域や敷地に無断で入る」ことを禁じる法律です。住居侵入罪とやや似ていますが、状況によっては軽犯罪法違反に問われるケースもあります。
「チラシお断り」というシールの張られたポストや、「許可するもの・居住者以外の立ち入り禁止」などと書かれた集合住宅を見かけたことがある方もいるでしょう。ポスティングにおいて軽犯罪法違反となるのは、このような拒否の提示があるにも関わらず、居住スペースに立ち入ってしまった場合です。立ち入らなければ違法となることはありません。


郵便法

信書にあたる販促物を、自身で投函すると郵便法違反にあたる可能性があります。「信書」とは、手紙やはがきなどのように個人にあてて差出人の意志などを伝える書面のことです。
郵便法では、信書の送付は郵便でしか取り扱えないと決まっており、勝手に投函すると違法になります。
ただし、一般的にポスティングされるチラシやサンプルなどの個人を特定しない配布物は、もちろん対象とはなりません。個人名などを記載している配布物は、違法と判断されてしまうケースもあるので注意しましょう。


ポスティングが違法になるケース

赤い郵便受け

ポスティングで違反になる可能性のある法律について解説しましたが、ここからは、ポスティングでさまざまな違法となったケースについて、具体的に紹介していきます。

  • 敷地内に立ち入ってチラシを投函
  • ポスティング禁止の張り紙をしている家への投函
  • チラシを投函する際のポストの破壊
  • ポスティング時の敷地内への駐車

シーンごとに詳しく見ていきましょう。


敷地内に立ち入ってチラシを投函

敷地内に設置してあるポストに許可なく侵入して投函すると、住居侵入罪に問われるケースがあるので注意が必要です。個人宅のポストは主に塀の外など道路側に面していますが、まれに敷地の中に設置されています。

敷地内に立ち入って良いとされているのは、郵便配達や宅配業者・ガスメーターの検針などの特定の業種だけで、ポスティング販促は対象外です。また、マンションの共有部分(エントランスや駐車場など)に立ち入った場合も、不法侵入として警察に通報されてしまう恐れがあります。


ポスティング禁止の張り紙をしている家への投函

「チラシお断り」「関係者以外立ち入り禁止」など、ポスティング禁止を提示している建物のポストにチラシを投函すると、住居侵入罪又は軽犯罪法違反に問われる可能性があります。これは、居住者の意志や要求を無視した形になってしまうからです。
マンションの管理者などから注意を受けたのに、無視して投函した場合なども同様に、違反行為としてみなされる恐れがあります。ポスティングは居住者の意志が優先なので、張り紙があったら投函しない、許可を得る、投函禁止リストを作成して誤って配布をしないように徹底するなどの対応が必要です。


チラシを投函する際のポストの破壊

チラシを投函する際にポストを壊すと、器物損壊罪(3年以下の懲役又は30万円以下の罰金など)に問われます。もちろん、普通に投函していればポストを破壊することはないでしょう。
しかし、すでにチラシがいっぱいに詰まっているポストに無理やり詰め込むなど、乱暴に扱うと破壊してしまう場合があります。チラシがいっぱいになっているポストに新たに投函しても、居住者が手に取る確率は低いでしょう。あふれ出たチラシで周辺を汚してしまう可能性もあります。そういったポストには無理に投函しないほうが良いでしょう。


ポスティング時の敷地内への駐車

広範囲のエリアでポスティングを行うときなどは、チラシの量が多く重量もあるので持ち運びが大変です。その際には、自転車やバイク、車などの移動手段を使うケースもあるでしょう。これらの乗り物を個人の敷地内に駐車してしまうと、警察に通報されて住居侵入罪に問われる可能性があります。
マンションの駐車場も居住者のものなので、自由に停めることはできません。ポスティングを自社で行う場合は、利用できる駐車場や駐輪場を探しておく必要があります。外部の専門業者に依頼をする場合は、どのような方法で配布をしているのかを確認しておくと良いです。


ポスティングで違法にならないためのポイント

ポスティングマップ

ポスティングで違反になる可能性のある法律や違法になるケースなどを見て不安に感じた方もいるでしょう。しかし、ポスティングはポイントを押さえていれば違法行為によるトラブルに巻き込まれることはありません。

ここでは、ポスティングで違法にならないための主なポイントを3つ解説します。

  • ポスティングを行う地域の調査をする
  • 最新の配布禁止エリア・建物の情報をまとめる
  • ポスティングを依頼する業者を見極める

ポスティングによってトラブルが起こると、企業の評判が下がってしまう恐れがあるので、これらのポイントをしっかりと確認しておきましょう。ポスティングを外部に依頼する場合にも、これらのポイントを意識しておくと良いです。


ポスティングを行う地域の調査をする

ポスティングを行う地域を事前に調査をしておくと、違法行為によるトラブルの回避につながります。ポスティングを行う地域の中に、「ポスティング禁止」と張り紙をしている建物はどのくらいあるのか、マンションやアパートなどの集合住宅へのポスティングは可能なのかを事前に調べておくと良いです。
しっかりと調査をしていれば、配布する地域の中のどのくらいの建物に配布ができるのかという大体の数も把握できます。自社でターゲットとしている層が多く在住しているエリアで配布禁止の建物が多い場合には、別のエリアも合わせて検討してみてください。


最新の配布禁止エリア・建物の情報をまとめる

ポスティングを行う地域の調査をしたら、配布禁止になっている建物の情報などをリストにまとめておくと良いです。間違えて配布をするとクレームにつながってしまうため、自社で配布をする場合は配布するスタッフにリストを共有しておきましょう。
ポスティングの専門会社ではすでにリストが作成されていることが多いので、依頼をする際はリストの作成を行っているかどうかという点にも注目して選んでみてください。
また、政治的な内容のチラシは禁止など、地域によっては配布できるチラシの内容などが条例で定められているケースもあります。配布する地域の条例なども確認しておきましょう。


ポスティングを依頼する業者を見極める

広範囲にチラシを配布したい、自社で配布する余裕がない、ポスティングに関する知識がないからプロに任せたいなど、専門業者にポスティングを依頼することもあるかと思います。外部の業者にポスティングを依頼する場合は、業者の見極めがとても大切です。業者を選ぶ際には、下記のポイントに注目してみてください。

  • 希望のエリアに対応しているか
  • スタッフ教育は丁寧に行っているか
  • クレーム対応を行っているか

自社スタッフのみで配布をしている、チラシの配布方法をまとめたマニュアルがある、配布禁止エリアの管理を徹底しているといった業者は、安心して任せられる可能性が高いでしょう。クレームにどのように対応しているのかなども合わせてチェックしておくと、トラブルにつながるリスクを軽減できます。


実際にポスティングで有罪になった例

実際に、過去にポスティングで有罪になった例もあります。例えば、2004年の「立川反戦ビラ配布事件」では、自衛隊のイラク派兵に反対して立川自衛隊官舎敷地内と階段に侵入してチラシを投函した3名が有罪となりました。
また、同じく2004年の「葛飾政党ビラ配布事件」では、マンションに政党のチラシを配布するために立ち入ったとして、配布した人物が逮捕されています。
どちらも住居の不法侵入をとがめられたものであり、一般的な企業のポスティングのシーンで起きたことではありません。内容も思想や政党などのためであり、一般的な広告チラシのポスティングとは少し毛色の違う事件となっています。


ポスティングでクレームがきた場合の対処法

コールセンターの女性

注意してポスティングをしていても、配布先からクレームがくるときはあります。どんな状況であったとしても、わざわざクレームを入れたということは、先方がポスティングによって大変不快な思いをしているという事実は変わりません。
クレームがきたら誠実に対応し、理解していただけるように努めましょう。ポスティングでクレームがきた場合の対処法は下記の通りです。

  • 謝罪の連絡を入れる
  • チラシを回収する
  • 今後の対応を明示する
  • 補償要求には慎重に対応する

ポスティングを外部の業者に委託している場合は、クレーム対応も行ってくれるケースが多いので、基本的にあまり問題はありません。しかし、自社でポスティングを行う場合はクレーム対応も自社で行う必要があるので、これらの対処法についても頭に入れておきましょう。


謝罪の連絡を入れる

まず第一に、先方へ謝罪の連絡を入れます。クレームは大きなトラブルにつながる可能性があるばかりか、企業イメージを下げてしまう結果にもなりかねません。違法行為はしていなかったとしても、嫌な気持ちにさせてしまったことを誠実に謝罪しましょう。
「何が不快だったのか」をしっかりヒアリングしてすぐに対応し、その情報をこれからの販促に生かすことも大切です。


チラシを回収する

ポスティングでクレームがあった場合、基本的には直接来訪してチラシを回収します。クレームを入れた側としては、直接企業が足を運んで謝罪をした上でチラシを回収に来てくれたという事実によって、「丁寧に対応してもらった」という印象につながりやすくなります。
大きなトラブルへ発展せずに、事態を収められる可能性が高いです。回収したチラシはもちろん今後使うわけではありません。先方がすでにチラシを廃棄していて回収できない場合は、謝罪と感謝をお伝えするだけで十分でしょう。


今後の対応を明示する

謝罪をしてチラシの回収をしたら、必ず明示しておきたいのが「今後の対応」です。「投函禁止リストに入れ、これからは一切チラシを投函いたしません。スタッフにも徹底して周知いたします。」という旨を告げ、丁寧に説明しましょう。
一度クレームを入れた企業からその後も同じチラシが入っていたら、さらに大きなトラブルとなってしまいます。スタッフ内で確実に共有し、今後は同じトラブルを起こさないように細心の注意を払いましょう。


補償要求には慎重に対応する

悪質なクレームでは、金銭などの補償要求をされるケースもあります。丁寧に謝罪をした上で、補償要求があまりに不当と思われる場合は、弁護士を立てて対応致しております。
ポスティングを外部に委託する場合、ポスティングによるクレームは主に配布業者サイドの問題ではありますが、それらの配布業者を選定並びに管理する代理店の責任でもあります。ポスティング業者を選ぶ際には、配布禁止エリア管理やクレーム対応に関する表記にも注目して、どんなときにも誠実に対応してくれる会社であるのかを知る必要があるでしょう。


安心して依頼できるポスティング業者を探すならエリアインテグレーション

安心してポスティングを依頼できるポスティング業者をお探しの方は、ぜひエリアインテグレーションをご利用ください。エリアインテグレーションは、地域マーケティングの総合サポートを目的とした有限責任事業組合です。独自のシステムを使って地域の特性を把握しているので、違法なポスティングをされないか不安という方は、ぜひご相談ください。


配布品質を追求した信頼のおける業者を選定

エリアインテグレーションは、国内の各ポスティング業者と連携しています。これまでのポスティングネットワークは、二次請けや孫請けが常態化がしていて、鞘抜けが行われていることで単価が高くなっていることも珍しくありませんでした。逆に、単価が安すぎる業者は、配布管理などを行っておらず手抜きをしている可能性もあります。

そのような状況から脱客する為に、エリアインテグレーションでは業者選定を行う段階で、

①業界内での評判
②事前アンケートの実施

を行った上で、業務委託先の候補と成り得るかを判断した上で、実際に候補となったポスティング会社を訪問の上、アンケート回答との相違がないか、管理体制はどうか等精査してから「業務委託契約」を締結しております。

また、全国のポスティング会社と契約している為、個別の配布ルール任せにならないように統一した「配布レギュレーション」を制定した上で業務を実施しております。それらによって配布品質を第一に考え、その上でエリアに応じた訂正なカバー率によって高い効果を期待できるだけでなく、ポスティングのためのルールを一定に保っているので、高品質なサービスの提供が可能です。

ポスティングを行う事業者の方にとって負担となる問い合わせには、2014年2月より「クレーム専用コールセンター」を開設して直接対応を行っています。チラシにフリーダイヤルを印刷しているので、配布に関するクレーム対応に追われる心配はありません。


常に更新される「配布禁止リスト」でクレームを予防

エリアインテグレーションでは、独自開発のGPSアプリを業務提携先のポスティング会社に提供することで、それぞれの地域ごとのクレーム低減を勧めております。このアプリには、ポスティング会社ごとの最新の「配布禁止リスト」を取り込むことが可能で、配布禁止物件に近づくと「アラート」が鳴って、配布スタッフへの注意喚起を行います。その為にも「配布禁止リスト」が常に新しく更新されており、最新の情報を使ってクレームなどのトラブルを事前に予防しています。これはあくまでリストなので、個人情報を取り扱っているわけではありません。


まとめ

ポスティング自体は違法ではありませんが、配布の仕方やチラシの内容によっては法律に違反してしまう恐れがあります。ただし、ポイントを抑えていれば回避できることなので、ポスティングで抵触する恐れがある法律や地域ごとの条例などに気をつけながら行えば問題ありません。
ポスティングによる法律違反やクレームが不安な方は、ぜひエリアインテグレーションにご相談ください。最新の「配布禁止リスト」によってクレームを予防できるだけでなく、「クレーム専用コールセンター」で直接対応を行うことも可能です。