ポスティングの反響率の平均は？計算方法や反響率が変化する要因を紹介

ポスティングは主に、企業の認知度アップや集客を目的としています。そのため、企業に問い合わせをしてもらう、来店してもらうなど、チラシを見て行動を起こしてくれる顧客を増やすことが大切です。

チラシを見て行動してくれる顧客を増やすためには、ポスティングによってどのくらい反響が得られたのかを測り、「ポスティング方法を今後どのように改善していけばより効果が得られるのか」などの改善案の検討をすることが重要になります。
この記事では、ポスティングの反響率の計算方法や平均、反響率が変わる要因などを解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。反響率が悪い原因やアップさせる方法なども合わせて紹介していきます。

ポスティングの反響率とは

ポスティングの反響率とは、ポスティングをした件数に対してどのくらい反応があったのかを表す割合です。何を「反響」とするかは、業種や扱っている商材、広告の目的などによって異なります。例としては、下記のような内容が挙げられます。

• 問い合わせ
• 資料請求
• 見積もり依頼
• サービスへの申し込み
• 商品の予約や注文
• 店舗への来店

何を反響として見なすのかを事前に決めておくと、反響率を測る際の指標となります。自社の目的や商材などに合うものを設定してみてください。

反響率（反応率）の計算方法

一般的に、ポスティングの反響率は下記のように計算するとされています。

反響率（%） = 反響数 / チラシ配布部数 × 100

反響数とは、自社で設定した「反響」をどのくらい得られたかを指します。先ほど解説したように、企業によって何を反響とするかは異なるので、自社の設定した反響の数を当てはめて計算してください。
ただし、ポスティングは正確な反響率を測りにくい方法であるという点に注意が必要です。例えば、電話での問い合わせ数を反響として設定していた場合、その問い合わせがチラシを見て行われたものなのかを判断することができません。チラシを配布した後に問い合わせ数が増えたとしても、チラシが要因で起きたものなのかを判断ができないのです。

反響率を正しく計測するのは難しいので、確実な数値ではないことを理解した上で、判断基準として参考にしてください。

ポスティングの平均的な反響率

一般的に、ポスティングの反響率は0.4〜0.7%前後とされています。ポスティングと同じように、ポストにチラシを投函する販促方法である新聞折込の場合は、全国平均で0.2%～0.3%前後とされているので、比較的高い数値と言えるでしょう。

しかし、反響率を測る際に平均を意識する必要はありません。上述したように、ポスティングで何を反響とするのかが企業によって異なる上に、本当にチラシによって得た反響なのかを判断できないため、平均値を導き出すことができないのです。

ポスティングの反響率は、企業の業種や商材、実施エリア、実施時期などによっても大きな変動があるので、あくまで一般論として考えておきましょう。

業種別の一般的なポスティングの反響率

業種別のポスティングの反響率は、一般的に下記のように紹介されています。

どの段階で反響があったとカウントするかによっても異なりますが、一般的に、単価の高い業種ほど反響率が低い傾向です。これらの反響率はあくまでも一般論なので、参考程度に考えておくと良いでしょう。

ポスティングの反響率が変わる要因

ポスティングの反響率の計算方法や平均について紹介したところで、次にポスティングの反響率が変わる要因について解説していきます。ポスティングで思うように反応が見られないときは、各ポイントをチェックして改善していきましょう。

• 告知したいターゲット層に合う媒体の選定
• 商品・サービスを魅力的に伝えられる告知物
• ポスティングを実施するエリア
• ポスティングを実施する時期
• ターゲットへの利益の提供

それぞれ解説していきます。

告知したいターゲット層に合う媒体の選定

広告の内容によってターゲットとする年齢層が変わります。年齢層が変わると、よく利用する広告媒体も違うので、適切な媒体の選択が必要です。例としては、下記のような広告媒体が挙げられます。

新聞の購読数が多い60歳以上がターゲットの場合は、新聞折込を選択すると広告の閲覧数を上げられる可能性が高い傾向です。一方で、スマホの利用が多い10〜20代のZ世代を狙うなら、デジタル媒体での広告がおすすめできるでしょう。

ポスティングは、幅広い世代のターゲット層に情報を伝えられます。自宅に直接届けるので、スマホをあまり利用しない高齢者や新聞をあまり読まない若者にもアプローチすることが可能です。
ただし、ターゲット層が広いからと言って、幅広い層に向けたデザインのチラシを作成すると、内容が薄く誰にも興味を持ってもらえないということもあります。自社のターゲットに刺さるのはどんなデザイン・内容のチラシなのかをしっかりと検討することが大切です。

商品・サービスを魅力的に伝えられる告知物

チラシの内容が商品・サービスをアピールできているか、顧客の興味を引けるものかを確認しましょう。商品・サービスの説明だけでなく、顧客にとってお得な内容や役立つ情報を盛り込むのがおすすめです。
また、他のチラシに埋もれないようなデザインや形状にするなど、チラシの形態にも気を配ると反響率に変化をもたらすでしょう。具体的には、一般的な長方形ではない形のデザインや折り目がある加工を施すなどが挙げられます。
チラシ以外の販促物を配布するのも一つの手です。ポスティングでは、冊子やカタログ、封筒、サンプルなどの、チラシ以外のものを配布することもできるので、広告で伝えたい内容に合わせて販促物を工夫するのも良いでしょう。

ポスティングを実施するエリア

ポスティングを実施するエリアの選定は、ターゲット層を考慮して行うことが重要です。地域ごとに生活している人の特徴が違うので、広告の内容にあった地域を選択しましょう。例えば、子育て世帯をターゲットとしているなら学校の周辺を中心に配布する、高年収世帯に配布をするなら高級住宅地を中心としてエリアを選択するなどです。

地域密着型の店舗やサービスの宣伝をする場合は、近隣の地域に絞って行うのもおすすめできます。遠いエリアに配布をしても来店までのハードルが高く、反響につながる可能性は低いです。商圏エリアに配布をすれば、近隣の住民に来店してもらいやすくなるでしょう。
しかし、近隣だからという理由でむやみにポスティングしても、高い反響が得られるとは限りません。あくまでもターゲット層を意識して行うということを忘れないようにしてください。

ポスティングを実施する時期

ポスティングを実施するタイミングを業種や広告内容によって変えていくと、閲覧率のアップにつながります。学習塾であれば、テスト期間前や夏休み・冬休み前にポスティングをすると、たくさんの反響が得られる可能性が高いでしょう。このように、企業が行っているサービス・商品をより利用してもらいやすい時期の前に配布をするように意識をすると、反響率アップが期待できます。

ターゲットへの利益の提供

商品やサービスの案内を記載しただけのチラシにするのではなく、ターゲットのほしい情報を載せることを意識しましょう。
ポスティングを行う際には、チラシ作成などを行う前に、まずターゲットを明確にすることが大切です。設定したターゲットはどのような内容を知りたいのか、どのような情報を魅力に感じるのかを検討し、ターゲットにとって利益となる情報を含んだ内容のチラシを作成していくのがおすすめです。
チラシにクーポンや割引券をつける、キャンペーン期間中に利用すると特典が受けられるなど、利用を促せるものが特に効果的です。クーポンや割引券をつけると、クーポンの回収状況で反響率が目に見えて分かるというメリットもあります。

ポスティングの反響率が悪い原因

ポスティングで想定よりも反響が得られなかった場合は、原因の追求が必要です。反響につながらない理由を分からないままにしていると、次にポスティングを行う際も同様の結果で終わり、費用も無駄になってしまいます。

失敗の原因を明らかにし、次回のポスティング活動で改善していきましょう。ポスティングの反響率が悪い原因としては、下記のような理由が考えられます。

• エリアだけで選んで配布している
• チラシのデザインがターゲット層に適していない
• 1回しかポスティングをしていない
• 配布したままで満足している
• 利益を意識していない

それぞれの原因を見ていきましょう。

エリアだけで選んで配布している

ポスティングに必要不可欠なエリア選定ですが、ただなんとなくで選んでいては反響につながりません。地図上でエリアだけを見ても、そのエリアに住んでいる人の年齢層はどのくらいなのかなどの属性を判別するのは難しいです。
また、地図上では近く見えても、実際には線路を越える踏切が遠い、川を超えられる橋の位置が遠いなどの理由でアクセスが悪い可能性も考えられます。
このように、しっかりと調査しないと分からないこともあるので、自社のターゲット層が多く住んでいるエリアか、店舗の商圏エリアに本当に含まれるのかなどのエリアの特性を確認してから選定するようにしましょう。

チラシのデザインがターゲット層に適していない

チラシのデザインを考える際のポイントは、ターゲット層の目に留まり利用したいと思わせることです。そのためには、ターゲットに合わせた色味やフォントを選び、写真、イラストなども活用してターゲットの目に留まりやすくさせるのが大切です。
子ども向けであればポップな印象、エステサロンなどのリラクゼーション系は癒しを感じる落ち着いた色味にするなど、ターゲットを意識したデザインにすると良いでしょう。
ただし、チラシのデザイン性にこだわり過ぎると、伝えたい内容が分からなくなってしまう可能性もあるので、「読みやすさ」「分かりやすさ」を重視することも忘れないでください。

1回しかポスティングをしていない

ポスティングは1度行っただけでは十分な効果を得られません。複数回行うことで企業の認知度が上がり、反響率の向上につながるのです。
ポスティングの頻度は業種やチラシ内容で変わります。日常でよく利用されるスーパーやドラッグストアは毎週ポスティングを行っても良いです。不動産関係の広告など、高頻度で利用する商材ではない場合は、頻度が多すぎると不快に感じられることもあるので、数ヶ月に1回の頻度で行うと良いでしょう。

配布したままで満足している

ポスティングは、チラシを配布したら終わりではありません。より効果的なポスティングを行うためには、反響率の測定をして次回改善すべき点を分析していきましょう。配布部数、配布時期、販促物の種類などを記録し、反応がどのくらいあったのかを振り返ります。
効果測定をした上で、必要であれば再度エリア選定をしたり、チラシの内容を変更したりなどの改善を検討します。ポスティングの問題点を改善して、次のポスティングに活かしましょう。

利益を意識していない

ポスティングの最終的な目標は自社の利益を上げることです。ポスティングには、チラシの企画・制作・印刷費用やチラシの配布費用などがかかるので、ポスティングの反響がコストを上回らない場合は赤字となってしまいます。
ポスティングを行う際は、この方法で利益が出るのかどうかを意識して、赤字になるようであればさらなる反響率のアップを目指さなければいけません。

ポスティングの反響率をアップさせるポイント

ポスティングの反響率が悪い原因について把握したところで、次はポスティングの反響率をアップさせるポイントについて解説していきます。ポイントは主に下記の8つです。

• ポスティングエリアを調査して見直す
• ポスティングをするセグメントを見直す
• ターゲット層のニーズを把握する
• ターゲット層に向けたチラシデザインにする
• チラシにクーポン・特典をつける
• 反響率などのデータを数値で把握する
• 根気強く継続的に行う
• 自社に合ったポスティング会社を選定する

反響率が上がらず悩んでいる、1回目より反響をアップさせたいという方は、ぜひチェックしてみてください。

ポスティングエリアを調査して見直す

ポスティングのエリアは、広範囲に広げれば広げただけ反響率が上がるというわけではありません。ポスティングの反響率を上げるためには、ターゲット層に合ったエリアを調査してエリアを再選定しましょう。
ポスティングを行ったエリアで得た反響を元に見直せば、改善につながるはずです。

• どのくらい反響が得られたのか
• どのターゲット層から反響が得られたのか
• 反響は想定よりも多かったか少なかったか
• 想定と異なった理由は何か
• どのようなエリアであればさらなる反響につながりそうか

これらの点を検討した上で最適なエリアを見直し、エリア内の年齢層や世帯構成、住居の種類などを調査してから、再度ポスティングを行う場所を決めていくと、反響率のアップにつながるでしょう。

ポスティングをするセグメントを見直す

ポスティングは、エリア全域の建物に配布をする「ローラー配布」と、エリア内の特定の建物に配布をする「セグメント配布」があります。セグメント配布には、主に下記の3種類があります。

• 一戸建てにのみ配布をする「戸建配布」
• マンションやアパートにのみ配布をする「集合住宅配布」
• 法人企業にのみ配布をする「事業所配布」

セグメント配布は、チラシ内容に需要がある層へ向けてポスティングをすることができるのがメリットです。セグメントによってターゲット層が変わるため、セグメントの見直しも反響率アップにつながります。
広告の内容によっては、ローラー配布のほうがおすすめの場合もあります。配布方法やセグメントを一度見直してみるのも一つの手です。

ターゲット層のニーズを把握する

ポスティング用のチラシを作るときには、ターゲットを絞ると同時にニーズの掘り下げをしましょう。ターゲットがチラシを見た際に興味を持つ内容に仕上げるためにも、ニーズの把握は欠かせない作業です。
ニーズを把握できていないと、ターゲットがどのような内容のチラシに魅力を感じるのかを具体的に想像することができません。想像できたとしても、実際のニーズとズレてしまっている恐れもあります。
ターゲットに刺さるチラシを作成するために、ターゲットのニーズの把握は必ず行うようにしてください。

ターゲット層に向けたチラシデザインにする

チラシの閲覧率を上げる大きなポイントは、チラシのデザインにも気を配ることです。見やすさや読みやすさを意識するのはもちろん、上述したようにターゲット層にあったカラーやフォントなどを考慮するのも重要です。
フォントやメインカラーが変わるだけで、チラシの印象は大きく異なります。反響率にも影響してくるので、チラシデザインが不安な方はポスティング会社や広告会社に相談してみてください。
また、反響率につなげるためには、チラシの導線も大切な要素です。チラシに興味を持った人がスムーズに行動に移せるように、問い合わせ先の電話番号や店舗へのアクセス方法が一目で分かるデザインにしておきましょう。

チラシにクーポン・特典をつける

チラシにクーポンや特典をつけておくと、閲覧率・反響率が上がる可能性があります。「お得になるならとりあえず取っておこう」という心理が働く人もいるので、捨てられてしまうことが減るでしょう。
このとき重要なのが、クーポンや特典の利用期限を記載しておくことです。期限が記載されていないと、「いつでも利用できるから」という理由で後回しにされて、そのまま忘れられてしまう恐れもあります。「期限内に使わないともったいない」という意識を持ってもらうためにも、見やすく分かりやすい位置に記載しましょう。

反響率などのデータを数値で把握する

上述したように、反響率を正確に測定するのは困難ですが、データを数値としてまとめて把握しておくことは、反響率の改善に非常に効果的です。配布部数、配布時期、販促物の種類、反響数、クレーム数などをすべて記載しておきましょう。細かなデータを記録しておくことで、今後のポスティングの改善に活かせます。
特に、反響数の項目はしっかりと確認しておきましょう。どんなターゲットからの反響が多かったのか、どのエリアからの反響が多かったのかを把握しておくと、ポスティングの改善策を検討しやすくなります。

根気強く継続的に行う

1度のポスティングで思うような結果が得られなくても、継続してポスティングを続けることが大切です。ポスティングする度に分析し、問題点を改善してまたポスティングするPDCAサイクルを繰り返すことで、だんだんと反響率もアップしていくでしょう。

自社に合ったポスティング会社を選定する

ポスティング業者に委託する場合は、業者選びを慎重に行ってください。業者によってはエリア分析のアドバイスをしてくれたり、クレーム対応を代行してくれたりするとこもあります。
ポスティング業者のこれまでの実績、サービス内容、費用、クレームへの予防・対策など、さまざまな観点から比較をして、信頼できる業者を探してみてください。特に、初めてのポスティングでエリア選定やチラシ作成に自信がない企業の方は、エリア選定の支援やチラシ制作会社の紹介なども行ってくれるポスティング業者がおすすめです。

ポスティング会社選びにお悩みならエリアインテグレーションに相談

エリアインテグレーションは、エリアマーケティングを総合的に担っている有限責任事業組合です。ポスティングエリアの選定から競合店の調査、販促プランの提案と実施、分析までのすべてを支援しております。
エリア媒体のプランニング用にオリジナルの機能を搭載した、独自開発のGIS「BEAM」を活用したエリア分析を行っているため、エリア選定に関しても適切なアドバイスをさせていただきます。

チラシ制作は行っていませんが、高いクオリティのチラシ作成を行ってくれるチラシ制作会社の紹介をすることが可能です。チラシ制作からポスティングまでまとめて相談したいという方は、ぜひエリアインテグレーションにご相談ください。

エリアインテグレーションのポスティングの事例

エリアインテグレーションでは、住宅メーカーの現場見学会のチラシの案件で、自転車商圏内のポスティングプランを立案した事例があります。エリアによって配布方法を変え、現場見学会専用の広告物を作成してもらいました。
オリジナルのGIS（地図情報システム）によって、ターゲット層のデータを元にエリア選定を実施したことで、会場への来場反響率が過去最高のパーセンテージを何度も更新したという実績があります。
商材の種類などによって反響の大きさが変わるので、商材ごとに適切な計画・実行・評価・改善を繰り返し、効果的な販促につなげることが大切です。

まとめ

ポスティングの反響率は、ポスティングをした件数に対してどのくらい反応があったのかを示す割合です。ポスティングは、何を反響とするのかが企業によって異なる上に、本当にポスティングによって得た反響なのかを判断できないため、反響率を測るのが非常に難しいです。
しかし、データを数値として測ることで改善策の立案ができるようになるので、ポスティング後の効果測定は反響率のアップを目指すためにも欠かせません。しかし、ポスティングの反響率はあらゆる要因によって変わるので、ポスティングを行い慣れていない企業が行うのは難しいでしょう。
ポスティングのエリア選定や分析に不安を感じている方は、ぜひエリアインテグレーションにご相談ください。