ポスティングとDMの違いを比較|それぞれのメリットデメリットは?
企業や店舗が顧客を掴むために使う代表的な販促方法として、ポスティングとDMがあります。しかし、ポスティングとDMにはそれぞれに特徴があるので、違いを把握した上で販促の目的によって使い分けをすることが大切です。
そこで今回は、ポスティングとDMの特徴や違い、それぞれのメリットデメリットを解説していきます。ポスティングがおすすめなケース、DMがおすすめなケースも紹介するので、自社にあった販促方法を選ぶ参考にしてみてください。
ポスティングとDMの特徴
ポスティングとDMはどちらも企業の販促方法の一種ですが、それぞれで特徴が異なります。どちらの方法が適しているのかは、事業内容や伝えたい内容などによって異なるので、目的に応じてポスティングとDMを使い分けていきましょう。
ここでは、それぞれの特徴を解説していきます。
ポスティング |
チラシなどを特定のエリア内にあるポストに直接投函する |
DM |
すでに住所を把握している顧客に郵送する |
ポスティング
ポスティングはチラシなどを特定のエリアのポストに直接投函します。エリア内にある建物に届けるので、届け先の住所などを把握している必要はありません。お店の新規オープンのお知らせをしたいなど、新規顧客の開拓をしたい事業者に向いているでしょう。
エリアを絞ってチラシの配布ができるため、地域密着型の店舗や特定のエリアにアプローチしたい事業者の販促方法としてもおすすめできます。冊子やサンプルなど、チラシ以外のアイテムを配布することも可能です。
DM
DMの特徴は、すでに住所のリストを保有している建物に届けることです。すでに住所を把握している既存の顧客向けにハガキなどを郵送します。自社に興味を持っている会員登録済みの顧客に送るので、DMを手に取ってもらいやすいです。セール情報や誕生日クーポンなど、顧客の再来を促せるものに向いています。
ポスティングとDMの違い
ポスティングとDMの特徴について解説しましたが、ここからは項目ごとにそれぞれの違いを比較していきます。両方の違いを把握し、自社の目的にあった販促方法を選ぶとより高い効果が期待できるでしょう。
ポスティング |
DM |
|
ターゲット |
新規顧客がメイン |
既存顧客がメイン |
広告の目的 |
企業の認知度の向上・集客 |
再来の促進、サービス利用後・商品購入後のフォロー |
閲覧率 |
比較的低め |
比較的高め |
反響率・反応率 |
比較的低め |
比較的高め |
ターゲット
ポスティングとDMは、主に対象としているターゲットが異なります。
ポスティングで対象とする主なターゲットは新規の顧客です。エリアを限定して配布するため、新規オープンのお店のチラシやキャンペーン情報のお知らせ、アルバイトの求人募集など、不特定多数の人に情報を伝えられます。自社に興味を持つ人を増やすのに適している方法と言えるでしょう。
DMは、すでに自社サービスに登録をしている人など、住所を把握している既存の顧客が主なターゲットです。セール情報や会員限定クーポンなど、顧客が再来しやすい情報をピンポイントで伝えられます。
広告の目的
ポスティングとDMは、どのような目的の広告かで使い分けるのも効果的です。ポスティングは知名度の向上を目的とした使用が適しています。特定の顧客がついていない新規店舗のオープンや新規サービスを広めやすい方法です。
DMは情報提供を希望している顧客に向けて発送されるので、再来の促進が可能です。さらにDMは、サービス利用後や商品購入後のフォローとしても使用できます。
閲覧率
閲覧率は広告を手に取ってもらえる確率を指します。閲覧率を優先するならDMがおすすめです。住所リストを元に個人宛てに送付できるので、すでに自社に興味のある方に確実に届けられて、内容を確認してもらいやすいというメリットがあります。
ポスティングは、エリアのみを限定して不特定多数の人に向けて配布するため、どうしても配布対象に自社の情報に興味がない人も含まれてしまいます。このような理由から、ポスティングはDMに比べて閲覧数が低くなりやすいのがデメリットです。
閲覧数を高めるためには、チラシのデザインや形態を工夫して目を引くようにしましょう。
反響率・反応率
反響率・反応率は、チラシなどを見たあとに顧客がアクションを起こした確率のことです。DMであれば顧客の再来率、ポスティングでは新規顧客の獲得率などで反響・反応を確認します。
一般的には、閲覧数と同様に、必要な人に向けて必要な情報を発信しているDMのほうが高くなる傾向です。しかし、ポスティングやDMは正確な反響率・反応率を測るのが難しいため、一概には言えません。広告の内容によっても反響率・反応率は異なるので、クーポンを添付するなどの工夫をしましょう。
ポスティングのメリットデメリット
次に、ポスティングによる販促を行うメリットとデメリットを解説します。広告を出す目的を明確にしてメリットをうまく生かしつつ、デメリットを把握した上でより高い効果を得られるように工夫しましょう。
メリット
ポスティングの主なメリットは下記の通りです。
- 新規顧客の獲得が期待できる
- エリアを絞った集客活動ができる
- 幅広いターゲット層にアプローチできる
- DMよりも費用を抑えられる
- 冊子やサンプル、ノベルティなども配布できる
ポスティングは特定のエリア内の建物に直接チラシを投函するので、年齢や性別、職種、年収などに関わらず、幅広い客層に情報を届けられます。会員登録や契約をしていない人にも届けられるため、多くの客層からの知名度向上効果が期待できるでしょう。
また、詳細な費用は配布方法等により異なりますが、基本的にDMよりも費用が安いです。
デメリット
ポスティングの主なデメリットは以下の通りです。
- クレームが発生する恐れがある
- 配布に時間がかかる
不特定多数の人にチラシを配布するため、クレームが発生する可能性があります。分譲マンションの集合ポストにポスティング配布禁止と表記しているのに配布されているなど、クレームの内容はさまざまです。
また、配布スタッフが一軒ずつポスティングして回るため、チラシの投函に時間がかかるデメリットがあります。新規オープンのお知らせなどの日付が決まっているチラシは、早めの手配がおすすめです。
DMのメリットデメリット
次に、DMのメリットデメリットについて解説していきます。それぞれのメリットとデメリットを把握して、自社に適した方法を選択してみてください。
メリット
DMの主なメリットは下記の通りです。
- リピーターの獲得が期待できる
- 顧客のニーズに合った情報を提供できる
- 一斉に送付できる
DMは、セールやイベント情報を顧客向けに同時に送れます。顧客のニーズに合わせた内容を記載すれば、よりターゲットに刺さる内容を提供できるでしょう。訴求力を促しリピーターを獲得できる効果が期待できます。メッセージを添えるなどの方法でアプローチをすることも可能です。
デメリット
DMによる販促のデメリットは、主に下記の2つです。
- ポスティングよりもコストがかかる
- 顧客が引越しなどをした場合に対応しにくい
DMはポスティングとは異なり、リストを元に配布をするのでコストがかかりやすいです。顧客への郵送費の負担もあり、顧客数が多いほど料金も高くなるのも特徴です。
また、リストにある住所から顧客が転居してしまった場合、顧客が会員情報を変更しない限り送付できなくなってしまいます。顧客不在の場所へDMを送り続けることになるので、常に最新の情報に更新する、不要なデータは削除するなどの対応をしなければいけません。
ポスティングがおすすめのケース
ポスティング・DMのそれぞれのメリットデメリットを見ても、どちらが自社に適しているのかを判断するのが難しいというケースもあるでしょう。ここでは、ポスティングがおすすめのケースを紹介していきます。
- 新規顧客を獲得したい
- 特定のエリア・地域にアプローチしたい
- 冊子やノベルティを配布したい
これらのポイントに当てはまる場合は、ポスティングを検討してみましょう。
新規顧客を獲得したい
エリア内の幅広い層にチラシを投函するポスティングは、自社のことを知らない顧客に対してアプローチできるため、新規顧客の獲得が狙えます。
クーポンの配布などを行えば、既存客やリピート客の再来を狙うこともできますが、不特定多数の方に配布ができるという特徴から、新規顧客の獲得を狙う人に特におすすめです。新規オープンなどで顧客がいない場合はポスティングを検討してみてください。
さらに顧客を増やしたい、新サービスの宣伝をしたいなど、客層を広げたいときにも活用できます。
特定のエリア・地域にアプローチしたい
比較的安い費用でエリア内の建物にまとめて配布を依頼できるポスティングは、地域密着型のお店を運営している場合や、特定のエリア・地域でサービスを展開したい場合などに特に有効とされる販促活動です。ポスティングでは、「丁目」単位で配布エリアの選択ができるので、特定のエリアにアプローチしたい場合に効果的な手法と言えます。
このとき、「店舗の周辺地域だから」などといった条件だけで配布エリアを決定してはいけません。エリア・地域内に住む客層には高齢者が多いのか、若い世代が多いのかなど、エリア・地域の特徴を把握した上で選ぶようにしてください。自社のターゲット層が多いエリアを選択すると、より高い効果が期待できます。
冊子やノベルティを配布したい
ポスティングは、冊子やノベルティをつけた宣伝を行えるのも強みです。チラシだけでは自社の魅力を伝えきれない、実際に製品のサンプルを添付して良さを知ってもらいたいなどといった場合に、要望に合わせたアイテムを配布できます。特に、個人が利用するサービスの提供、普段から消耗する日用品などの販売を行っている企業におすすめの販促方法です。
他にも、企業名を入れたボールペンなどのノベルティを配布すると、普段使用する際に目につくので名前を覚えてもらいやすく、自社の知名度アップが期待できるでしょう。
DMがおすすめのケース
次に、DMがおすすめのケースについて解説していきます。以下のポイントに当てはまる事業者の方は、DMを検討してみると良いでしょう。
- リピート客を獲得したい
- キャンペーンやお知らせの連絡をしたい
- サンプルや試供品の送付をしたい
それぞれ詳しく解説していきます。
リピート客を獲得したい
住所リストに記載されている顧客の中には、初めて利用した際に住所を登録しただけという人も含まれます。DMでうまく次の利用を促せると、リピート客の獲得につながるでしょう。
顧客にまた、利用したいと思わせるには、DMの内容が重要です。キャンペーンや顧客向けのセール情報、顧客ならではの特典が受けられる内容などは、リピートの顧客を掴みやすいでしょう。顧客のニーズを把握して、より顧客の心が惹かれる内容を検討してみてください。
キャンペーンやお知らせの連絡をしたい
キャンペーンや新サービスなどのお知らせは、既存顧客向けに宣伝ができるDMが効果的です。すでに自社に興味を持っている相手に情報を伝えるので、内容を確認してもらえる可能性が高いでしょう。
あえて前回の利用から期間が開いている顧客に向けてDMを送付すれば、再来店を促すことも可能です。顧客限定のセール情報が記載されていたりクーポンがついていたりするDMはさらに限定感があり、リピーターを増やすきっかけとなります。
サンプルや試供品の送付をしたい
ポスティングでもサンプルなどを一緒に配布ができますが、既存顧客向けに新商品のお知らせをしたい場合などはDMでサンプルや試供品の送付をするのがおすすめです。受け取った顧客側もサンプルや試供品で自分に合うものかどうかを事前に確かめられるので、次回利用時の購入を検討してもらいやすい傾向にあります。
また、高額商品・サービスを提供している事業者などは、DMで特定の客層にサンプルや試供品を送付するのも良いでしょう。リピート率が高い顧客に高額の商品・サービスの案内をする際も、サンプルや試供品の送付を検討してみてください。
サンプル・試供品を使って新規開拓や広範囲で知名度を上げたい場合はポスティング、顧客のリピートを目的に的確なアプローチをするならDMなど、使い分けをするのがおすすめです。
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エリアインテグレーションは、エリアマーケティング事業を行っている有限責任事業組合です。どのようなマーケティングをしていきたいかというヒアリング内容を元に、最適な販促方法のプランを提案いたします。
店舗・企業の商圏の分析や競合店の調査など、エリアマーケティングに関する業務をワンストップで代行可能です。GIS(地理情報システム)を活用した、ポスティングに最適なエリア・地域の選定などのサポートも行っております。
DMに関する相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
ポスティングもDMも企業の販促方法の一種ですが、それぞれで特徴が異なります。
ポスティングはチラシなどを特定のエリアのポストに直接投函する方法です。主に新規顧客の獲得が期待できる、幅広いターゲット層にアプローチできる、DMよりも費用を抑えられるなどのメリットがあります。
一方でDMは、すでに住所のリストを保有している顧客向けに情報を届ける方法です。他社のリストを活用すれば新規顧客の獲得も見込めますが、自社のリストを利用する場合は既存顧客向けに販促をするのが一般的です。
ポスティング・DMそれぞれにメリットデメリットがあるので、比較をした上でどちらが自社に適しているのかを判断すると良いでしょう。
自社に適した販促方法がどちらなのか悩んでいる方などは、ぜひエリアインテグレーションにご相談ください。